三井住友建設鉄構エンジニアリング株式会社
岸壁に1点係留されている小型船は、津波襲来時にどのような挙動を示すかを確認するために水槽実験を行いました。
実験は、(株)三井造船昭島研究所の潮流水槽内に設置された津波発生装置を使用して行いました。津波の波形勾配は、南海トラフ巨大地震モデルの和歌山県串本港の勾配(10分で10m)を参考としました。その他条件は、小規模な漁港を想定して決定しました。
東日本大震災では多くの船舶が陸上または沖への流失等様々な被害が報告されました。現在、係留船舶の津波対策の必要性は高まっています。
津波対応型係船装置『のびリング®』は、収納箱と係船リングから構成されており収納箱の部分が岸壁コンクリートに埋設されています。内部に収納されているロープ長さを変えることにより、1点係留、沖側のアンカーがコンクリートアンカーの2点係留などの様々な係留方式に対応可能です。また、装置自体が岸壁コンクリートに埋設されているため、防護柵やフェンスのように景観を変えることもありません。
5G.T.相当の船の小型船の挙動は、以下のようになりました。
水槽実験より水面と係留索のなす角度は、ほぼ90°で係船装置に鉛直荷重が作用することが確認されたが、様々なケースを想定して斜め上方の係留力が作用した場合にも確実に固定ピンが破断して、スムーズに係船リング部分のみが分離することを陸上実験にて確認する。
係留索と係船装置のなす角度は、47°にて実験を行った。
コンクリート定盤上に津波対応型係船装置を横向きに固定して、レバーブロックにて係船リング部分に荷重を作用させ、固定ピンが破断した荷重を測定した。